こんな広告・勧誘はダメだ!(3)前編
柳メロンパンです。
前回の記事で、アフィリエイターも勧誘とみなされ賠償責任が発生する判例などを見てみました。
では具体的にイケダハヤト氏(イケハヤ)の勧誘の文言がどのような違反に該当しそうかチェックします。
ターゲットがそもそも初心者
今回対象とするのは下記のタイトル・urlの記事です。
勧誘の引用も全てここから行います。
いきなり”初心者”に対して”ローリスク”を謳っています。
初心者向け、ローリスクで借金しない!FXの始め方&おすすめ口座まとめ。 : まだ東京で消耗してるの?
また、FX記事でたびたび出てくる「FXは怖くない!イケハヤ流FX入門」という黄色ベースのイラスト。初心者マークの人が喜んでもろ手を挙げている絵があります。楽しそう、怖くなさそうな雰囲気を出しています。
(イラスト書いた方は悪くないのですが)
これを採用したイケハヤは、完全に初心者をターゲットとしてFXの勧誘していると判断できそうです。
さて、前回判例を調べていた僕はある事に気づきました。
FXの民事(損害賠償請求)の判例を調べていて目についたのが「FXは複雑でハイリスク」「きわめて投機性の高い商品」という断定的な表現でFXが語られているところ。
— 柳メロンパン (@87gimeronpan) November 11, 2018
裁判所ですらそんなふうにいうわけだからFXは怖いと認識していて間違いないよ
↑リンク先より引用
裁判所ですら、「FXはハイリスクで投機性が高い」と認めています。
投資と投機の違いは、投機のほうがより短期の利益を追求する目的が強い表現です。
ブログの中身を読む前から怪しい
初心者に投資を勧めるなとはいいませんが、よりにもよってハイリスクと世間一般で考えられているFXを「ローリスク」といっちゃってる。
イケハヤの主観や感想ならセーフ?となる場合もあるのですが、初心者の警戒心を解くためのキーワードとして重要なんですよね。不実の告知(客観的事実と異なることを告げる)としてどうなんだろう。
また、そのローリスクであることがブログ内で検証・証明されているのでしょうか。
通貨とかレートとか分かってなくても自動売買?!
冒頭のまとめ
何もわからない人は「自動売買」だそうです。
さすがにもうアウトでしょう。読んでてもつらいです。やめてくれ。
リスクを説明するどころか「分かってなくても始められるよ!」と煽っています。
このレベルの質問に答えられない人はFXに手を出さないで。
初心者で知識もないなら適合しません、で終わりです。
裁量トレードができない人に短期も自動もできるわけねーじゃん。
自動売買はプログラムやインターフェースで裁量トレード発注行動を軽減しているだけだろうよ・・・。
自動売買は勝手にお金を増やしてくれるわけではない
当たり前です。当たり前のことですよ・・・・。
プログラムに設定や指示を加えるのは客です。通常の投資知識に加えてプログラムの設定方法やクセ・挙動を知らないといけないんですよ。使いこなせなきゃ意味ないんです。
勉強しなきゃいけないことが増えるんです!
ついでにプログラムの不安定さ、不具合などもリスクが増えてるよね。
初心者は損切とロスカットの区別できてるんですか?
だから、その利益確定や損切の設定に客の裁量と経験が必要でしょ。どこまでもごまかすなぁ。
「勝手にやってくれて利益が貯まっていく」という部分は断定的な判断の提供ですわ。
勝手に損をしていく可能性に言及していません。
イケハヤさんがやってるトライオートETFって自動売買は運用成績、現時点でマイナスになってましたよね。
なんで減ってるかそれを例に出して説明すればいいのにしてませんね。
広告主であるインヴァスト証券のリスクの説明には、あくまで「客の責任やし、客に不利になることたくさんあるで、でもクーリングオフできないよ」とか怖いこと書いてるよ。
リスク・費用について - これがFXの最終形態 トライオートFX | インヴァスト証券
イケハヤさん、この画像はリンク先の一部ですが全部説明できますか?
仮想通貨の逃げ時も分からなかったあなたのリスク管理なんてFXの世界で通用しませんよ。
世界とつながっており、売り禁もストップ安もなく、サーキットブレイカーもないFXはリスクの要素と幅が日本株の取引きよりも多いと個人的に思っています。
リスクの説明はロスカット連呼
イケハヤさんは「ロスカットは証拠金積んでれば大丈夫」くらいしか言ってないのに間違いだらけです。
・放置型の
→ FXは放置したらあかん
・長期運用でロスカットに注意
→ ロスカットは万能ではなく、ロスカットが間に合わないほどの値動きには運用期間が長いほど遭遇しやすくなる
・証拠金維持率を高めに
→ 「少額から始められる」けど「たくさん金いれなきゃリスク高い」
・現金に余力
→ そこまで用意してる時点でローリスクと矛盾
こんなもんはリスクの説明ではありません。
外国為替を扱ってるのに、値が大きく動きやすい国際情勢のリスクに一切言及してないとかどないなってんねん。
僕でも、主要国の選挙で政党が入れ替わったり、雇用統計などの指標が発表されたり、天災・紛争などで為替が大きく動くことぐらい分かるわ!
運用している通貨の国の情勢に目を配って適切にポジションを調整しましょうということすら言わないんか。
これでリスクの説明したといわれたら、僕は「だまされている」と感じますが、初心者はどうでしょうか。「多めに証拠金入れてたらリスク管理OKだね!」と勘違いすると思います。
不実告知にあたりそうな気がするんですけどね。
だめだ、長すぎてまとまりきらない
まだまだあるので後編に続く!