強制ロスカットが間に合わないこともある
はじめに
FX業者が設定しているルール・システム
だいたいが証拠金維持率50%を下回ったら発動し、強制的に全建玉(すべての取引)が決済される。※訂正 維持率100~50%と、業者によって水準はいろいろです。
担保が足りなくなって貸しはがされる感じに似ている。
損切(そんぎり)
ロスカットの直訳っぽいので、損切=ロスカットと勘違いしている人もいますが、投資家のいうロスカットはたいてい上記の強制ロスカットです。
損切は含み損の状態で、投資家の任意や意思で(好きなタイミングで)決済することです。
使用例)一旦損切する
- リスクの塊、イケハヤさんのFX記事
- イケハヤ記事まだあるよ
- システムの遅延による判例の説明
- 大幅変動ほどちゃんと作動しない
- 値がつかなければどうしようもない(窓があく)
- ちゃんと説明している参考記事(非イケハヤ)
- だからこそFXはハイリスク
リスクの塊、イケハヤさんのFX記事
イケハヤさんの記事そのものが初心者にとってのリスクだなぁと思う今日このごろ。
↓ 超雑な「ロスカットを雰囲気でかたる」痛い記事
”入金したお金がすべてなくなる「ロスカット」”
もうこの説明の時点で僕は吹き出しました。雑にもほどがあるやろ。
ここでは、「原則~」などという言葉を使いながら、ロスカットあるからまあ大丈夫だよ、と、リスクから目をそらさせる誘導を行っています。
ちなみに一応ロスカットが作動しない例に言及しているのですが、
なんと たとえが東日本大震災
いつの記事やねん!と見てみても記事内に投稿年月日がみあたらなかったのですが、urlには20180813とありました。
書いたの今年かよ!?リライトかもしれませんが、2011年の震災持ち出す他にもブリクジットやらスイスフランやら例はわんさかあったじゃん!!
そして、やっぱり追証の説明は無し。
この人やっぱり追証の説明できないんじゃ・・・・
「無知なあなたを改心させるよ」とかいう上から目線のタイトルで、自分の無知さ加減を存分に発揮しています。
イケダハヤトのブログに追証について記述がなかった - メロンパン、リスクを考える
イケハヤに直接追証の件を聞いたらブロックされた ↓
反論もされずブロックされました - メロンパン、リスクを考える
追証(おいしょう=追加証拠金)のルールは絶対知らないといけない - メロンパン、リスクを考える
イケハヤ記事まだあるよ
これまた、ロスカットがまにあわずに借金(口座の金がマイナス)になる可能性から目をそらさせようとします。
「借金を負うリスクまで考える必要はない」、その借金にならない理由としてロスカット(強制ロスカット)をあげていますが、同じ記事を少しスクロールすると
「急変時には口座残高がマイナスになることも」
「ロスカットの仕組みも完ぺきではない」
さっき(約12行前)と言ってることちがうじゃん。
安心できないじゃん。
なのに考えなくていいってか。
この記事自体読んでて不安なるわ。
しつこいようですが、この記事でも安定の 追証に触れてません。
システムの遅延による判例の説明
値動きが大きいときはアクセス集中でシステム負荷がかかり、約定に時間がかかります。その遅れのせいでロスカットが間に合わずに裁判になった例があります。
イケハヤも言及しているこの判例は、僕もロスカットの件を調べていて、重要な基準となるので引用しようと思っていました。
ここでとても悪質だと感じた記述がココです。↓
「18秒の遅れが発生し、これは証券会社側の過失だと判断」
ち が い ま す
「18秒のうち、10秒までは遅れても許容範囲、残りの8秒は過失」
というのが正解です。18秒のうち半分以上は証券会社に責任はなくシステム上どうしようもなかったという判断がされているのです。
イケハヤの書き方だと全面的に証券会社の責任となっているかのようですね。
確かに、この判決について10秒の許容に触れているのが見つけづらかったのはありましたが、スリッページ(約定の遅れ)の10秒ルールはちょこちょこ話題にあって、根拠がこの判例のようです。
同じ判例の紹介 ↓
インターネットによるFX取引のロスカット義務(消費者問題の判例集)_国民生活センター
↑「10秒」とは書いていないが、「カバー取引の成立という条件が契約内容にあるのでそのやりとり分の約定にかかる時間は許容される」
FX業者に限らずですが、ネット取引が主流になっている昨今、必ず免責約款として「コンピューター・システム、通信機器等の予測不可能な障害」について責任は負わないという記述はあります。
こんな感じ。責任取らないよっと宣言しています。
ロスカットが約定せずに客が大損したら、しれっと請求してきます。
先ほど出した18秒遅れの訴訟も、口座残高が900万円ほど残るところを、ロスカットが遅れたせいでマイナス1,000万円になり、業者に請求されたから裁判にいたったようです。
つまり遅れたからって、率先して謝ってくれたり、ましてや補填してなんてくれないんですよ、裁判まで持ち込まないと。
大幅変動ほどちゃんと作動しない
本当にロスカットで止めてもらいたいほどの大幅変動(暴騰・暴落)ほど、作動しないんですよ。
だってアクセスが集中するもん。
世界中と同時にやりとりをしていて、個人の数百万程度が決済遅れるとか、チリに等しい誤差です。何百億、時には兆が動くのが為替ですから。
日本のちっさい取引所のシステムが間に合うと思う?
そもそも「十年に一度くらいの値幅で客に損害出させないよういシステム増強しとこう」なんて取引所あるわけねーよ。
取引所は客の味方じゃない。
値がつかなければどうしようもない(窓があく)
こんなチャートみたことありませんか?
FXの窓埋め確率と窓埋めトレード手法!チャート画像あり! | FXの専門家
この空白の部分、この値幅の分取引が成立しなかったということなんです。
(決済=約定=取引成立=買う人と売る人がどっちもいた)
こんなふうに値がぴょーんと飛ぶことを通称:窓があく といいます。
週明けの月曜などにたまにあります。めったにない、ではなくまあまあ見るってくらいの頻度で発生します。(為替ウォッチ歴約10年の筆者の体感)
土日になにか災害・大きな事件・紛争などが世界のどこかで起こった時に発生しやすくなります。
この空白の部分にロスカット水準があったとしても決済できず、その下の所の値で損が確定されます。
また、強制ロスカットまでいかなくても、証拠金維持率を下回っていたら取引停止・追証を請求されます。その場合も窓の下の値で不足した金額を請求され、自然に値が回復していっても追証を入れないと取引再開できません。
※2018年11月19日追記
週明け月曜日 豪ドルとNZドルで窓があいて円高に。
値幅は大したことないですが、「めったにない」ことではないです。
ちゃんと説明している参考記事(非イケハヤ)
↓ 参考になる記事たち
だからこそFXはハイリスク
ここにあげた例などは、確かに為替にとって大きな事件といえるのですが、
「そうそうないので心配しなくていいよ」は、さすがに無責任です。
これがあるからFXはハイリスクなんです。
※ちなみにこれを書いているのは2018年11月18日の夜中なんですが、2日くらい前に英ポンドが円高にふれました。EU離脱の件で英国内でもめて閣僚が辞任したことが発端です。
ポンドが売られて約3円、短時間で円高になりました。
スイスフランの値動きなどは突発的な要人発言であったため、百戦錬磨の投資機関や金融機関ですら予想なんてできません。とっさに逃げる速さはあったかもしれませんが、影響は少なからずうけています。
FXするならせめて国際ニュースなどには
興味を持とう
適切なレバレッジと、ポジション調整をして、激しい値動きがありそうなイベント前には初心者はポジションはとらずにいたほうが無難です。