FXなどの差金決済の仕組み
FXをおすすめするサイトで、FXの仕組みの説明を間違っているものが多かった。
わざわざ漫画やイラストなどを用いて、嘘っぱちを書いているものもありました。
ドン引き。
FXが「外貨」を取り扱うという共通点だけで、「外貨預金と比較してスプレッドが安い」などといわれるのは遺憾でいかん。
外貨預金ユーザーとしては腹が立ちます。
取引そのものの種類が違うので、手数料に差がでるのは当然なんです。
つまり、差金決済のことをきちんと解説せずにFXのお得感をあおっている記事は要注意記事。ほかにも思い込みなどで間違った説明をされている可能性があります。
悪質なアフィリエイターは調べもせずにコピペのみで記事を生産してしまうので、これらの誤った情報が広がってしまったのかな、と思います。
金融商品の取引の種類などの知識を事前に持っていればだまされないでしょうが・・・初心者や若年層をターゲットにされていると難しいなぁ・・・。
だってネットで調べようと思ってもこういう情報が上位にいくつも出てきてしまうということですから。
外貨預金は現物取引で、両替と同じ等価交換。
FXは信用取引の一種、差金決済(差額のみの取引き)。
仕組みを初心者向けに簡単にしてみます。
両替や外貨預金(現物取引)
100万円の日本円で両替や外貨預金をしたとします。
手数料(スプレッド)が引かれたのちの額で外貨を保有できます。
紙幣での出金も可能ですし、口座にそのまま外貨預金として預けることもできます。
銀行側は同じだけの外貨を用意せねばならなくなる為、管理や調達のコストがかかります。
口座間だけの外貨両替より紙幣などキャッシュで出金した場合のほうが手数料は高くなることが多いです。
※銀行に問い合わせたところ、米ドルはたぶん大丈夫だが、支店によっては外貨が準備されてない場合もあるので事前に問い合わせてから出金してくださいとのことでした。
実は外貨が必要ない差金決済
同じく100万円の元手でFXをする場合、100万円は証拠金という担保になります。
差金決済であるFXはこの図のようになり、一切の外貨のやりとりがなくても成立します。
証拠金が口座内にあるので、利益も損もここから出たり入ったりすることはあるのですが、「外貨を買う」と注文して建玉を持った場合、それはただの「注文」で、証拠金で外貨を買っている行為ではありません。
FXがいう「買い」「売り」は単にポジションや決済を表しているだけ。
だからこそ約25倍というレバレッジで取引できるのです。現物を必要としないから。
だから基本、外貨で出金できるわけではありません。また逆に、損が出た場合に外貨の現物で支払いOKという所はたぶん無いと思います。(管理がややこしくなるから)
差額を支払えばいいだけのFX業者は外貨を用意する必要がないので、スプレッドにそれらのコストを乗せる必要がなく、結果、現物取引よりずっと安いスプレッドを提示できます。
企業努力で安くなってんじゃねーのよ。
外貨で出金できる業者もあるようなのですが、非常に少ないようです。
その出金の際は銀行と同等程度の手数料が必要になると思います。
ざっくり例えていうと
ちょっと初心者に例えを用いると、競馬のノミ行為は似ています。
競馬に参加したい人からお金を集めますが、実際の馬券は買わず、当たった時だけ支払いをします。
これも差額(当たった時の払い戻し)だけのやりとりで、馬券という現物は必要ありません。
FXはどちらかというと、証拠金という担保をいれて取引に参加させてもらい、外国為替の値動きの上下を当てて、当たったら差額をもらうという表現のほうがしっくりきます。
ゲームのようですね。
また、損が大きくなって担保がさらに必要になったら、追証を求められたり強制ロスカット(すべての取引を強制決済)をされたりします。
●追証(おいしょう=追加証拠金)のルールは絶対知らないといけない
現物取引はどれだけ為替差損が出て評価額が減ろうとも、そもそも外貨自体が自分の資産なので担保も必要なく、追証もロスカットも存在しません。
ただ、外貨預金はペイオフ対象外なので、銀行が破綻した場合は保証がされないというリスクはあります。
このように金融商品の取引きは、ルールやシステムがややこしいので、「簡単にできる」という言葉は警戒されたほうがよいと思います。
・・・が、アフィリエイトやってる人らはSEOもやってるだろうし、調べようとしている人には間違った情報のほうに接触する率が高くなると思う。
だまされた!と思ったら、当ブログにもリンクのある相談・通報窓口に相談してください。そういった悪質サイトが規制されることを願います。