【文章解剖】君はイケハヤの反論を理解できたか?
疑問に思っていることをぶつけても、「質問の答えになってない」
うやむやにされるって腹立ちますよね。
真摯な問いであればあるほど、答えへの欲求も強く、一生懸命相手の言葉を聞こうとする。それなのに、余計に疑問が増えてしまう。
すっごくモヤモヤします。
今日はそんな例文を紹介し、どこがどうイラつくのかを解剖して分析してみます。
2019年1月9日、えらいてんちょう氏が正田圭氏の経歴に疑いの目を向けた記事をあげ、インフルエンサー達の耳目を集めました。
そして正田氏が「3ケタ億のM&Aはやってる途中(実績なし)」と発言し、プロフィールの詐称では?と批判され炎上しております。
サロン生の2つの質問
そして同時並行で、正田圭氏と『脱社畜サロン』を営んでいるイケダハヤト氏に、この疑いについての真偽を問い合わせたサロン生がいました。
#脱社畜サロン から目覚めた元信者のnote|いしかわ|note
・正田さんの、”3桁億円M&Aをした”証拠はどこにあるんですか?
・イケハヤさんはなぜ正田さんの話を信じたのですか
この2つです。
イケハヤの回答
結論からいうと、M&Aの証拠はまず無いですね。言及もしていない。
あとは「正田氏を信じた説明」を、一応しているようです。
ではひとつひとつ見てみましょう。
文章を解剖
①えらてんというのはインターネットの当たり屋ですね。
いきなり発端記事を書いたえらてん氏の悪口から始まります。
えらてん氏の記事は伝聞なども含み、エビデンスを出しているわけではないのですが、別に「偽物だろ!」と決めつけているわけではありません。
「経歴が疑わしいから何か証拠を見せろよ。」という内容でした。
それを突然「当たり屋」と犯罪者呼ばわりするという、フライング感が否めません。
まだ正田氏自身も反論してない時なんで・・・。
②ぼくは直接の関係者ではない?ですが
関係無いって主張すんなら黙っとけよ
結局黙らずグダグダ言います。
イケハヤを直接批判されたわけではないですが、関係者ではあるでしょうよ。
正田氏のイケてる感を押し出して有料サロン運営して、これから高額合宿までやるんでしょう。
正田氏の経歴というバックボーンで聴衆集めてる側面バリバリあるでしょう。
ひじょうに腹立たしい(中略)眠れなさそう。
うん、腹立ってそういう理由で文章に吐き出してる、と、今の自分の心境の説明。
答える行動で、答えないテクニック
③そもそも疑うことがないからですね・・・・w
Q、なぜ、信じたのか?
A、そもそも疑うことがない
はい来ました。めんくらう回答。
こう返されると、さらに頭に???となってしまいます。
質問はなぜ?と理由を問うてます。
Why do you believe him?
この場合、まともに答えるならば、理由や根拠を説明します。
「●●だから信じる」「●●をもって信頼できる」
理由と、質問者が出してきた「信じる」という意味の動詞で返せば分かりやすい。
ところが、イケハヤの文には理由や根拠の言及がなく、「疑うことが無い=信じている」というイケハヤ氏の慣習を示す言葉しかありません。
言い方もうまい。「疑うこと」(動名詞)が「無い」(否定)と、根拠にあたる主語が入っているかのように錯覚する文体になっています。
疑うことが無い=信じている ってことですから、イケハヤの回答は
「なぜ、信じたのですか」という問いに対して
「信じてるから」と答えてるんですよ。実質。
質問の動詞をそのまま理由かのように答え、根拠が無い。
「信じてるから」ってそのまま言ったら正味のアホか「答える気無いんだなこいつ」となるんですが、意味は同じでも違う言葉や違う文体を使うことで、答える行動はやっている感が出せます。
相手の戦意や熱意などをくじく回答として実は秀逸です。
あと、「・・・・w」と嘲笑を意味する符号で畳みかけるのもポイント高い。
イラっとさせられる見本のような回答です。
主観をまるで一般論に
④これ別に特殊な話ではなく(中略)仕事しませんよね、普通。
自分の主観や価値観を「~よね、普通」と、あたかも世間一般の常識かのように決めつけて述べる。
「そうでしょ?そうだよね!」という押しつけがましい、キモい、同調を求める文。
これは③の「疑うことが無い」にかかってきていて
「疑うことが無いのは特殊な話ではなく、疑って仕事しません」
と言っています。
ここにも根拠や理由はなく、イケハヤの仕事する時の慣習や主観のみ。
まだ正田氏を信じるに足る理由や根拠は出てきません。
⑤ぼくはそもそも(中略)人を疑いません
再度、理由も根拠も示されず
「疑いません=信じてる」が繰り返される。
④の内容に「金を出すとき」というシチュが追加されただけ。
「A」、だから「A」
⑥怪しい人とは仕事しませんから。
Q、なぜ、正田氏を信じているのですか。
A、怪しい人とは仕事しませんから。
「●●であるから」のテイを為しているいるので、あたかも理由を言っているような文体になってるぜベイベー!うまいね!
「怪しい人とは仕事しないから正田氏を信じています」
もちろんぱっと見ておかしいですが、言い換えているだけで、
「信頼できない人とは仕事しないから正田氏を信じています」
おーぅ。混乱してきますね。
信頼の可否の根拠を聞いているのに、信頼の可否を理由にもってきています。
これは肉級(@mecchanikuniku)さんの名言、「すごいからすごい!」(理由と形容の結論が同じ)ってやつですね。
⑦みなさんはいちいち疑うんですか? 疑問への説明終わり
反対に読者への疑問の投げかけ。意味の無い文章。
これで「説明は以上」と。
イケハヤが人をすごく信じる人間なのは分かったわ。
(どうでもいい)
理由や根拠は一切示されないまま、
「信じる」が繰り返される文章でした。
結局、質問には答えてなかった。
質問者を疲弊させる威力は十分
いやあ、うまい!
感心しましたね。見事です。
よくこんなに文字数を費やしているのに「一切理由について言及していない」のを誤魔化した回答ができるとは。
これは論点ずらしでもないし、詭弁とも違う。
一度読んでみてもそれになかなか気づけないんです。「~から」という言葉を織り交ぜていたり、文章の組み立てを替えているから。
「僕は人を理由も根拠もなく信頼する人間なんです」という説明を繰り返しているのが実態です。
そして最後に「説明は以上」と締めていますが、質問者が知りたいことには一切触れていないんです。
うまいなぁ~。
読者は「言葉ひとつひとつ、文のひとつひとつは理解できるのに、全部通して読むと意味が分からない」という、とてもモヤモヤした気持ちになります。
実体のない分身の術のよう。
イケハヤのこういう術、かなり高度ですよ。
また、正田氏側の反論も解剖するとおもしろいので今度します。
(ツイート消されていなければ)
↓ 正田圭氏の文章解剖もしました。