メロンパン、リスクを考える

初心者以上、投資家未満。投資のリスクは人生のリスク。

【調べてみた】著作権侵害と「引用」の定義

超お久しぶりです。

前置き無しに本題。

※主に新聞記事の著作権について書いています。

※2019年10月22日追記有

 

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イケハヤ氏の著作権侵害

 

僕もずっと金融商品勧誘の件で批判しているイケダハヤト氏(イケハヤ)。

彼が持っているYoutubeチャンネルが、2019年10月15日頃、株式会社 日本経済新聞社から著作権侵害を申し立てられてペナルティを受けているとのこと。

申し立てられた複数の動画は現在削除されています。

 

そしてイケハヤ氏はそれを「不当」として、自分は全く悪くないとnoteやvoicy、twitterなどで主張しまくっています。

自分には非が無い。「正しい引用の範疇」だと。

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=EwP8ZqbwUOs

 

【追記あり】日本経済新聞社から不当な著作権侵害クレームをもらって、YouTubeチャンネルが消されそうな話。|イケダハヤト|note

 

 

この件について、ここ数日で僕がさまざまな人とやりとりし、気になって調べた事をまとめてみたいと思います。

 

 

 

 

 

「引用」に当てはまるのか?

  

 イケハヤ氏のnote内から引用 ↓ 見本画像

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 今回問題になってるのは、イケハヤ氏の動画内のキャプチャ画像日経新聞のサイトのスクショ)の上記のような使い方。

イケハヤ氏がニュース解説をする動画に貼りつけています。

これを複数回、複数の動画にわたって行っていたかどで侵害と指摘されたそうです。

 

 イケハヤ氏は日本経済新聞社のサイトから「引用の条件」を出して来て、すべて条件を満たしているとnote内に書いています。

 

 

日本経済新聞 電子版 よくある質問

記事を「引用」して利用することは可能ですか

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ところがですね。

2.のところに”文章”とか、4.にも”原文” って書いてますよね。

どう読んでも

文章(テキスト)つまり書き物内に引用する時の条件

に見えて仕方ない。

「引用したい人の文章が」となっているので、ここが「引用したい人の動画が」となってなければ実情に合わない。

 

5.のかぎカッコや6.の明示の仕方も引用先がテキストを想定した話です。

ブログや書籍とか小冊子とか。

 

つまり、イケハヤ氏がやったような動画内に記事の画像を出すというシチュエーションを想定した条件とは読めないんですよ。

これで論じるのは見当違いでは?

 

例えば動画が10分で、そのうち数秒しか使ってないという2.の「量」の主従で引用が「従」を主張したとしたとしても、動画って一時停止できるじゃないですか。静止画の集合体なんで。

この引用の条件では動画での使用なんてカバーしきれないんです。

 

そもそも、動画で画像を使う事を「引用」っていうのでしょうか・・・。

「引用」という単語自体、慣習として文章中に使うものという印象があります。

 

引用(いんよう)とは - コトバンク

 

記事を引用したいと思う時に、ロゴも含めたサイトの見た目をスクショ撮って出す必要は全くない気がします。

 

 

 

 用いられているものは著作物か

 

イケハヤ氏が用いているものがそもそも著作物ではないという意見もありましたので調べてみました。

 

まず「日本経済新聞社」のロゴ。

ロゴマークは文字主体で著作物として認められづらいとか、それはブランドを表すもので商標権で別物だという意見がありました。

ちなみに見本であげたスクショの右上に配置されているロゴは日経新聞の300件以上ある商標登録出願に見当たりませんでした。

メンテナンス情報 (Maintenance information) | J-PlatPat/AIPN

 

ところが、これ、

 

名のある前衛書道家が書いた ”書” だったんです。

お も く そ 著 作 物  やんけ。

 

style.nikkei.com

上田桑鳩 - Wikipedia

東洋書芸院 / 現代書とは / 上田桑鳩

 

 

 

著作物にはどんな種類がある? | 著作権って何? | 著作権Q&A | 公益社団法人著作権情報センター CRIC

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ロゴの下にある新聞記事は著作物では無いと言う方もいました。

確かに「著作物」の中に新聞記事は明記されてませんが、著作物では無いとも書いていません。

編集著作物の項には新聞があげられています。

 

また、著作権法 第10条2項の

「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は著作物に該当しない。」の記事だから著作物とはいえないと解説した弁護士もいました。

 

著作権法 | 国内法令 | 著作権データベース | 公益社団法人著作権情報センター CRIC

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 しかし、文化庁の関連リンク先のサイトには「新聞記事は著作物」とデカデカと書いているし、新聞記事は著作物と言い切っている弁護士もいました。

 

①学校で守る著作権|こんな時の著作権|KIDS CRIC

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Q&A 市史、絵はがき、キャラクター、歌碑など | こんなときあなたは? | 著作権Q&A | 公益社団法人著作権情報センター CRIC

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結局どっちやねん?

先の「事実の伝達にすぎない」という要件が非常に狭いと書いてあるものもあり、それに照らすとイケハヤ氏が用いた記事は著作物になります。

 

例:人事往来・死亡記事・火事・交通事故など

 

ネットワーク上の著作権について|著作権|声明・見解|日本新聞協会

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見解が分かれるところではありますが、著作物に該当しないとは言い切れません。

 

さらにイケハヤ氏はこれらの著作物パーツ(ロゴ・記事)を複数配置したサイトのレイアウトもまるっと画像として使用しています。

レイアウトもデザインとして著作性がある場合があります。

 

もちろん日経新聞は、電子版に載っているコンテンツ全てに著作権があると主張しています。

日本経済新聞 ヘルプセンター

 

イケハヤの行いは引用じゃなくて、画像のスクショなんで

コンテンツの複製・コピーにあたるのでは?

 

 

著作権の基本、「複製権」

 

①著作権とはどんな権利?|学ぼう著作権|KIDS CRIC

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 印刷、写真、コピー機による複写・録音・録画などあらゆる方法で

「物に複写する」権利(中略) この言葉から著作権制度はもともと

コピー(Copy)に関する権利(Right)から始まったことが分かります。

 

ああ、コピーライト!これのことか!

CopyRight    🄫

 

なるほど、著作権者だけがその複製をする権利を持つわけだ。

そして著作物を使用する為には使用料を払わないといけないとも書いてある。

新聞とは著作物である記事を大量に印刷(複製)して売る商売なので、そのまんまじゃないか!

複製の方法に「写真」と書いてあるのでもちろんスクショ(キャプチャ画像)も該当する。

それを他人に勝手にやられてネット上に配布されたら権利の侵害になるわな。

 

 

「引用禁止」は法的効力がない?

「引用禁止と書いていても引用できる」

なんかこんな記事を持ち出して無断で引用できると言ってる人間がいましたが、これって「正当な引用すらも認めない」というのが無効ってことでしょう。

引用は正当ならばOK、そうでないならダメです。

イケハヤ氏のは正当な引用とはいえないと僕は思う。

 

 

 

未来を予見している新聞社の見解

 

www.mainichi.co.jp

報道・評論活動を主たる業務としない者が、もっぱら営利を目的として、著作物として保護されている新聞記事を無断で複製、編集し、これを一般に頒布、もしくは、特定集団内の情報サービスとして組織的に利用するなどの傾向が顕著である。

(中略)

すでにコンピューターを中核とする情報処理も現実化しており、研究開発を進めているデータバンク、家庭ファクシミリ等を通じて、近い将来、新聞の収集した情報は国民大衆にさらに身近になり、いっそう活用されるものと期待される。

このような観点からすれば、新聞の得た情報が営利を目的として無断で利用されることは、その社会的、文化的、経済的価値が著しく損なわれることを意味しており、著作権法の精神に照らして到底認容しがたいものといわねばならない。

 

僕は今回、このページに出会って感動に近い気持ちを覚えました。

日付を見ると1978年5月」

なんと40年以上前に、今日の状況を的確に言い当ててる文章なんです。

要約すると

「報道・評論のプロでもないヤツが営利目的で新聞を無断でコピーして配ってることが目につく、将来技術が進んでさらに新聞が身近になる、新聞の価値が落ちるから著作権に照らして営利目的の無断複製を許すわけにはいかない」

 

 本当に感動しました。

これ、イケハヤ氏に状況がドンピシャです。

 

報道のプロでもなく 営利目的で 無断で

新聞記事をネット上で大勢の人に見せています

 

インターネットが普及する前で、原文には家庭ファクシミリとありますが、新聞記事を簡単に複製・配布できる世の中になってしまい、無断複製や転載する輩によって自分たちの価値や利益が低下することについて「許さない」と宣言しています。

 

40年前から新聞の権利を守ろうとする有識者たちは、今の「無断転載デフォだよね」という無礼な輩に対する態度を固めていたことになります。

すげぇ・・・(語彙力低下)

てか、昔からいたわけですね、そういう人達が。

 

 

 

なんとなく素人の僕が思う事

 

僕は著作権法に詳しいとか法律家ではないので、以下素人の感想です。

 

著作権法は昭和45年とあるので、約50年前にできたもののようです。

(著作物にプログラムが加わったのが34年前)

比較的新しい法である感じがしますが、これができた時、著作物には新聞記事は想定されていなかったのかもしれません。

(だから著作物に書かれていない)

 

テレビもなかった時代からある新聞。

大きな輪転機を回していた時代から、ここ数十年で手のひらのスマホでコピーを取れるようになってしまった。

プリンターやスキャナーが個人でも持てる。ネットによって配布の手間もいらない。

現代では個人の複製・配布があまりに容易になってしまいました。

 

きっちり保護しないと新聞社の利益が脅かされるようになり、新聞記事も著作物だという判断が広がってきたのでは?と。

 

①事件・事象発生

 ↓

②取材などをして新聞記事にする

 ↓

③紙やネットに複製して配布して利益を得る

 

新聞社は①から②に移る時に多大なコストを投じ、③で回収せねばならないのに、コストを払わない個人が③だけかすめ取っていくことができます。

しかし個人が②を新聞社と同等にするのは不可能です。

 

たとえば「サウジ、ドローンで空爆か」といった短いニュースがあるとしましょう。

まず一個人がこの情報源を新聞社のように取得するなんて不可能です。

もしこの情報をキャッチしたとして、それが事実であるという判別ができるでしょうか。

現地は混乱しているかもしれません。

IT技術によって情報がかく乱されているかもしれません。

翻訳が間違っているかもしれません。

 

しかし新聞が報じた時点で大勢が「事実」と受け止めます。

新聞記事は一般人にとって一次情報になり得ますが、新聞もどこかから情報を仕入れる、つまり0次の情報が存在します。

0次の情報には事実とは異なるもの・噂レベル・デマも多く含まれることでしょう。

それを取材などで確かめなければなりません。

 

人々は、新聞記事として出来上がって発行されているから事実と信じます。

新聞記事がオリジナルなんです。

「新聞に載っている報道は事実=一次情報」という常識を保持し続けることはとても高度な仕事だと僕は痛感します。

 

新聞社には膨大な情報が集積していますが、その中から真実をよりわけ、紙面採用するものを日々取捨選択し、事実に即した文章を作って初めて新聞記事が生まれます。

 

間違わず、偏りや誤解を招かず、できるだけ大勢に伝わりやすい言葉で。

そんな制限の中で的確な言葉をチョイスし文章を作ることも、高い語彙能力を必要とします。

「事実をただ書くだけ」と軽視する人もいて腹立たしかった。

 

事実を伝える短い記事さえ、自然に、勝手に湧き出てくるものではありません。

 

僕たち個人は簡単にネットのデマに踊らされます。

自分たちに都合よく解釈する人や、事実を捻じ曲げて発信する人が大勢いることを思い出してください。

 

一個人が新聞ほどの巨大な信頼を築くのはほぼ無理なんです。

新聞の情報の価値は巨大な信頼から生まれ、その対価を得るのが新聞の商売です。

新聞を営利目的で無断複製するということは、

その巨大な信頼を含めて盗んでいるのと同等だと。

 

著作物の使用について許諾を得なくても良い「引用」が許されている結果、それを乱用して無断転載が氾濫しています。

無断でするのが当然と捉えている人達さえいました。

結局は使用する側のモラル・常識・著作者への敬意によってこの省略が成り立っています。

新聞社も迷惑をかけられたら動かざるを得ません。

 

著作権法 | 国内法令 | 著作権データベース | 公益社団法人著作権情報センター CRIC

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法の中の引用の項には、「公正な慣行に合致する物」「正当な範囲」とあります。

そもそもこの法は著作権者の保護が目的なので、引用の正当な範囲もその中にあります。

著作権者に不利益を与えたら

「正しい引用」が成立しないんです。

 

今回の事で日経新聞にどんな不利益があったのか、また、将来あるのか僕は容易に想像がつきます。

イケハヤにヒントを与えてしまうので言いませんが。

さらに40年以上前から、営利目的でコピーする輩を許さないと新聞社は宣言しています。

 

こうやって新聞社に迷惑をかける人達が、より、ルールを窮屈にしていきます。

価値あるもの、オリジナルを作り出す人たちに敬意を持たない人間が簡単にそれらを盗んでいます。

その苦労を知っている人間は自然に敬意を持ち、著作者への配慮も思い至りますが、パクり屋はそうではありません。

 

著作権の話は難しく議論の途上のものもあり、様々に意見が分かれるもので、僕だって全て理解できません。

でも、著作物を作り出す労力を想像することはできるはず。

 

「著作者がダメっつったらダメなんだよ。」

数日前に僕が言った言葉ですが、権利侵害を指摘されたら抵抗するのではなく、「なぜダメなのか」と使わせてもらってる立場の人間はまず考えるべきだと思います。

 

もう一度言いましょう。言い換えましょう。

自分でオリジナルを作らない、パクりばっかりやってる人間は、その労力を想像したり敬意を持つ頭さえ、ないんですよ。

 

 

まとめ

 

著作物や著作権者の権利を軽んじる人が多いから、著作権保護法で守らなきゃいけなくなるんでしょーが。

 

 2019年10月22日追記

コメント欄で新聞の著作物性について書かれた論文を教えていただきました。

 

 

 2019年11月01日追記

10/31、イケハヤ氏の著作権侵害で削除されていた動画が復活し、11/1にチャンネルのペナルティが解除されたとのことです。

10/31から11/1の再生回数が大きくなっているので、削除された時にマイナスとなっていた回数がここにのっかっていると思われます。

 

僕が批判していた無茶苦茶な説明をしている資産運用の動画は非公開のままです。

 

https://socialblade.com/youtube/user/nubonba

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💰イケハヤマネー講座💰 - YouTube

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