メロンパン、リスクを考える

初心者以上、投資家未満。投資のリスクは人生のリスク。

【続】・もしも営業マンだったころの僕が上司に「ブログを1億で売れ」と言われたら

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~前回のあらすじ~

「ブログを1億円で売りたい」というI氏の案件担当に指名された柳メロンパン。

気乗りしないが調査をし、I氏の支払い能力(与信)に疑問があることを上司に報告。

契約の条件として高額な前受金を設定、様子を見ることにした。

 

b-87gimeronpan.hatenablog.com

 ※

これらは柳メロパンの脳内シミュレーションであり、フィクションです。

実在の人物、団体などには一切関係ありません。

 

 

Ⅶ.契約締結・着手

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「うっにゃ~~~~!ぶっちょーー!」

 

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「気持ち悪い声出すな!」

 

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「I氏、契約するっていってきました。前受金払うって。」

 

f:id:b-87gimeronpan:20181215235645p:plain(他でどこもに相手にしてもらえなかったんだな・・・)

f:id:b-87gimeronpan:20181215235848p:plain(他でどこもに相手にしてもらえなかったんだな・・・)

 

 

~数日後~

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「I氏の入金、確認がとれたので着手します・・・。」

 

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「おうw がんばれよ、ひゃひゃひゃひゃ!」

 

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「・・・・がんばって僕が成績あげたら、この嫌み言って面白がってる部長の評価もあがっちゃうんだよなぁ①、ムカつく。」

 

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「心の声漏れてんぞ。」

  

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「えーっととりあえず、買い手として可能性のある先の想定、か。」

 ポイント

  • ①がんばっても上司の手柄になるの、マジむかつく。しかし失敗した時や自分に危険が迫った時は、思う存分上司を利用しよう。出来ない部下を持った中間管理職が、さらに目上の人に激詰めされてるところも想像しよう。同情も沸く。

 

 

Ⅷ.メロンパンの貧弱な発想では買い手が想定できない

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(この人、企業に対してブログ売りたいみたいなこと言ってるのに、会社員を現在進行形でdisってて意味不明なんだよな。

ファンや信者は『奥深い!』『単純なdisではない』みたいなこと言ってる奴もいるけど、大半の興味の薄い人間は”キャッチコピー”見るだけで嫌悪するっての・・・。さわりからして自分の立場や所属を侮辱されてて中身しっかり読もうなんてマゾのほうが少ないわ。)

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(信者がいたりサロン生がいたりするけど、誰も名乗り出てないのな。)

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(話題作りとしても失敗してんじゃないのコレ。インフルエンサーって肩書はなんやねん、こけおどしか。)

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(いくつか試しに企業をあたっても、「個人のブログなんていらん」って門前払いだった・・・。そりゃね、広報用のを社員に書かせるほうが早いわ。)

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(ん、なんか企業の講習をしてたことあったな。・・・人材派遣会社?

・・・・!

 

 

Ⅸ.人材派遣会社のH社と可能性を模索

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「失礼します。Y社の柳メロンパンです。本日はこのような機会を設けていただきまして、まことにありがとうございます。」

 

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H社広報

「いえ、そう堅苦しくならず。H社広報です。こちらこそおもしろいお話をいただけて。興味がありますね。」

 

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「面白がっていただけるだけで・・・・!まず、このような経緯で買い手を探しているのですがI氏がブログを売りに出していることはご存知でしたか?」

 

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「いえ、名前はちらほら聞きますしだいたいの印象や属性は知っていましたが、今何をやっているか皆が追ってるような知名度ではないと思いますので。」

 

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「辛辣な事実をすっぱり言ってくださる方は好きです。」

 

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「メロンパンさんもI氏に好感持ったうえでブログを売り込んでいるわけじゃないでしょ?」

  ポイント①:H社、ずばずばいう、メロンパンの苦慮を見透かされている

 

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「はい、ということはH社様もI氏の賛否両論の言動をご存知ということですね。」

 

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「それが氏の知名度の源(みなもと)と水準だと思ます。」

 

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「そういった点をすでに含んでくださっているのは話は早いのですが、I氏のブログをもし御社が運営する場合のリスク、難易度があがるかと思われますが。」

 

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「結局そこはコストと効果の相談ですね。炎上などのリスク、イメージ保持の難しさはありますが、H社は話題性や弊社との親和性を見出して、おもしろいな、と。」

 

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「その利点を詳しくうかがってよいでしょうか。」

 

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「まず人材派遣である弊社は、転職などの記事は歓迎ですし、”会社に縛られない新しい生き方の模索”そのものも歓迎できます。雇用の流動を促すからです。副業などもかまいませんし、短期・季節労働のような多様な働き方そのものに派遣業の商機はあります。I氏はそういった発信ではまだアイコンとしてキャラを活用できると思います。」

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「H社は大手の子会社ですがベンチャー色が強く、新しいものの感じさせるやりかたに、既存の概念を壊す・批判するという姿勢もアリだと。破壊とか挑戦を感じさせるコピーでの訴求は鬱屈を抱えてる層に響かせることができるんですよ、不謹慎とのサジ加減が難しいですが。」

「そういった”煽り”と感じるほどのアク強めのキャラとして、まだ”使える”と思っております。」

 

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「ははぁ・・・!」

 

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「しかし長期でその姿勢で広報をするわけではありません、短期のキャンペーンです。弊社をI氏とのコラボで一時インパクトを補強するキャンペーンをうつ、しかしI氏が言っているように長々と彼のブランドイメージの育成に付き合うというのは無理です。H社がH社の広報の為に編集をしたいです。」

 

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「はい。ということは”運用”ではなく一定期間ブログという場をH社主導でレンタルするような形でしょうか。」

 

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「しかしI氏の希望は売却ですよね。私は買い取りでも構わないと思っています。つまり、I氏の名を冠したキャンペーンが終わったら、I氏の名前を前面には押し出さずドメインパワーを利用した後はよくある広報ブログに転用できるんじゃないかな、と。」

「そのブログでも派遣という働き方を通した”新しい生き方”なテーマでコラムや体験談を提供したいと思っておりまして、I氏のファンはそういったことを率先してやられる方が見込めるのでは。」

 

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「ああ、I氏を支持している人も目当てなんですね。」

 

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「それもありますね。またコストのほうも、一日5万円の収益が現在見込めるということは月150万、年間1,800万円ですか、相殺でペイできるでしょう。」

「ただこの収益はもって1年だと思っています。」

 

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「1年ですか。確かに下り坂であるとI氏自身も言っていましたが・・・。」

 

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「専業のアフィリエイターほどの人材を育成するつもりもありませんし。問題は記事を間引かなければいけないということです。弊社が運営をするとなると固有名詞や団体、企業や組織、銀行などをあからさまに侮辱しているような記事はさすがに削除して使わなければなりません。」

 

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「ですよね。取引先ですもんね。」

 

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「ブログそのものを弊社が使えるよう都合よくしていく過程で、今あるドメインパワーはそがれていくのではないでしょうか?どちらにせよ、過去の記事はどんどん価値を失うものだと考え代謝させていくとなると、今までと同等の収益はあげられないと見るべきです。」

 

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「I氏のブログの値段の根拠であるブランドイメージは短期でのみ使う、ブログ収益の賞味期限も1年ということになると・・・それは、1億という売値は・・・。」

 

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「無理ですね。1億はさすがに出せません。メロンパンさんの言った賛否両論ある御仁のブログの使い道としてアイデアは沸きますが、現実問題となると結局、対費用効果次第です。広報のツールとして買い取りをし、まったくコストを加味せず、一日5万でその収益が衰えないとして単純計算で約5年半の回収期間です。タレント契約でも長いですよ。ちょっとすぐには分からないですが、無形資産として取得して償却もしていかないといけないんじゃないかな・・・。価値は確実に落ちていくということです。I氏の炎上リスクもあります。」

 

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「炎上などの不祥事をI氏が起こしH社が被害を被った場合の賠償を契約に盛り込むというのは?」

 

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 「もともと好感度で売っている人ではないので無意味かな。炎上そのものも注目度の底上げ効果があって最初からそのリスクと注目度を当て込んで”攻めてるな”って雰囲気が出せることに面白みを感じているので、おとなしく落ち着いてしまうのもI氏を起用する意味が無いというか。」

「うーん、タレントとかならある程度演出や台本を仕込めるんでしょうが、そうなるともう広告代理店を通すくらいしないと、ってなっちゃう感じがして、私では対応できないな、加減が難しい。そういう人からコントロールを受けてどうこうできる感じの人ではないでしょうし。」

 

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「ずばり・・・おいくらなら・・・。」

 

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「・・・一千万。」

 ポイント②:H社、具体的な金額提示でふっかけてきた。

 

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「じゅ、じゅうぶんの、いち・・・・。」

 

  ポイント③:メルカリ並の値切られ方をしてメロンパン、ピンチ!買い叩かれようとしている。

 

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「私の見立てはメロンパンさんはどう思います。」

 

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妥当です。(きっぱり」

 

   ポイント④:あっさり認める。値段提示する前の前段でH社の提案、ペースをつかもうとぐいぐい図星指してくる姿勢に呑まれているのは確か。主導権が現在H社にある。

 

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「正直ですね。」

 

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「H社様の見立てやアイデアのほうが、こう、すごいなというか、僕が考えてもみなかったことですので。僕は利用方法すら分かりませんでした。」

 

   ポイント⑤:正直者。ただ、胸襟を開きすぎにも注意。

 

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「こういう奇をてらったものを面白がる層は一定数いるでしょう、実際I氏にはファンがいるわけですし。やりようがあるとは思いますが、ただ1億はないなぁ。」

 

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「逆にブログの価値がI氏によってあがっていき、御社に恩恵をもたらす可能性についてはいかがですか。」

 

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「将来の価値や収益が上がるなら、今売る必要あります?w」

 

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「・・・確かに!」

 

 ポイント⑥:さらに凡ミス、メロンパン。

 

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「手放したいというなら、値が下がるか、めんどうだとか不都合だとか、なんか理由があるんでしょうね、とにかくマイナスな理由。」

 

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「それは僕も感じます。1億が無いということも分かるのですが、ふーむ。ぶっちゃけ弊社はマージン商売なんで、安く売却がまとまるとその分うちらの取り分も減るので困るんですが・・・。」

 

ポイント⑦:”ナキ”の言葉をチラつかせる。メロンパンは今、自分がどう立ち回ればY社が利益を確保できるのか、頭ん中フル回転。

 

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「そうでしょうね。前例の無い高額なものなんで設定もしづらいですね。」

 

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「いえ、でもちょっとI氏との交渉の余地はあります、こういった条件ではいかがでしょうか。」

 

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「ふむふむふむ・・・。」

 

 

 Ⅹ.交渉は続くよ、どこまでも

 

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カタカタカタ・・・・(メールうってる)

『I様、ブログの売却について進捗をお知らせいたします。興味を持ってくださる企業様が現れました。かなり具体的にブログの有効利用についてプレゼンも受けました、しかしやはり条件面でI様の最初のスタンス、思惑を全て受け入れての買取は難しいと~~・・・。~~。』

カタカタカタ

 

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「おう、進展したんだってな、生き生きしてんじゃん。」

 

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「世の中には変わり者がいるもんですねぇ。」カタカタ

 

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「電話嫌がる相手だからめんどくせぇな。」

 

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「さすがにメールのやりとりだけでこんなややこしい案件前に進めるのは骨が折れますね。応接室のお菓子補充するんでお使いいってきます。」

 

ポイント①:メールなど、痕跡が残りやすいツールでは使う言葉にさらに神経を使わないといけないので駆け引きしづらい。「相手の冷静さを奪って」などの心理的にプレシャーをかけるテクニックが使えない。メロンパンは相手をおびき寄せるために期待感をもたせたメールをうった。

 

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「あ、来社すんのねw。」

 

~~~~~

 

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「どうもご足労いただ」

I氏「---------」

 

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「お、落ち着いてください。はい、とても評価されておりました。まだ打診段階ですしどういった企業様か詳細は明かせませんが、とても具体的なヴィジョンを語ってくださってですね、正直私も感嘆しました。」

 

I氏「---------」

 

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「相手の企業様の利用の仕方はまだ明かすことはできません。私どもとしましてもマッチングを現実のものとする為に全力を尽くしておりますが、1億円という高額なお値段にですね、こう、尻込みするというか。」

 

ポイント②:H社が見出した利用方法、アイデアだけ盗まれたらいやなので言わない。

 

I氏「---------」

 

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「具体的に金額は・・・、ケースバイケースですね、アプローチがいろいろあるというか、実際に買いたいと提示された額はまあかなり辛(から)い金額でした。」

 

I氏「---------」

 

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「値踏みをするつもりか、と申されましても、私どもも買い手を当たりまして、具体的な案を出してくださったのはココ一社だけなんですよ。ええ、弊社のリストをほうぼう当たりましてね。I様のほうにはその後直接買い取りの打診はございましたか?」

 

ポイント③:嫌みを織り交ぜる、最初に下手(したて)に出まくってリラックスさせてたのとは逆。場に緊張感が生まれる。

 

I氏「---------」

 

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「いえ、私どもに遠慮されなくてもいいんですよ。ええ、確かに手付金は戻ってきませんけど。」

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「そうかまえずに、やはり利用方法がある、とおっしゃてくださった企業様でも1億円という値付けには懐疑的です。そこでですね、支払い方法などで工夫の余地があるかと、私どもで提案させていただいたんです。一括ではなく、分割で、ですね。」

 

I氏「---------」

 

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「それでも1億円満額となるかどうかは・・・。未知数ですね。」

「I様は根拠のひとつとしてブログの収益1日5万円をあげておられました。それがこの先も継続するかどうかというのがポイントなんです。」

「はい、他のI様のブランドイメージなどは数字として見積れるかというと、不可能です。企業様はI様のファンではございませんので。ブログの値段の根拠として提出できるのはこの1日5万という所だけなんですよ。」

 

I氏「---------」

 

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「ははあ、企業様はI氏のブランドを過小評価している、と。なるほど、確かにyoutubeなどでもとても勢いがありますものね。なるほど。」

 

ポイント④:本心で言ってるわけではない。メロンパンは今意図的に褒められる材料を持ち出して緊張感を緩め、緩急をつけて揺さぶりをかけている。相手の期待値をゼロにすると交渉が破綻する。まだ粘り時。

 

I氏「---------」

 

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「どうしますか、では今回のこのお話見送りますか?」

 

I氏「---------」

 

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「当たった企業様は十数件でして、ほぼ門前払いでした。今回のこのお話を流してリサーチ継続されますと、手付金の100万円を上回る経費がでれば実費の請求を」

 

ポイント⑤:嘘です。これ以上探しても期待できないことと、こちらが労力を割いていることを恩着せがましく使う。

 

I氏「---------!」

 

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「いえ、私は個人的にはそうは思っていないので、分割の提案をさせていただきました。毎月毎月I様にお支払いをするということですね。その金額ですが、実際のブログから得られる収益を折半するというものです。」

 

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「まず頭金としてI様に、そうですね1千万円ほど頭金として企業様から支払います。その後、毎月得られるブログ収益を折半、この割合は調整できるでしょうが、実際に収益が上がった分でI様に払っていくということです。

 

I氏「-------?」

 

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「いえ、弊社の手数料は7百万円そのままです。

 

I氏「----?!-------?!」

 

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「毎日5万円、毎月150万円の収益があるなら、半分でも70万円以上ですので、700万円なんて10ヵ月で回収できます。」

「それに、I様のご主張のとおり、ブランドイメージが上がっていくのであればもっと早くに回収できる可能性があると思いませんか?」

 

I氏「・・・・・・。」

 

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「・・・・・・・・・・。」

 

I氏「・・・・・・。」

 

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「ブログに1億円の価値があれば、この条件ですぐに回収できますよね。」

 

 

I氏 ガタッ

 

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「あ、お帰りですか?」

 

I氏「------------」

 

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「話にならない、とはどういうことでしょうか。こちらとしましても最大限の努力と提案を」

 

I氏「------------」

 

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「ご依頼キャンセルということでしょうか?かしこまりました。」

 

I氏「------------」

 

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「もちろん前受金(手付金)は返却できません。買い手を探す為にすでに弊社は費用をかけていますし、契約にもその条件は明示し」

 

I氏「------------!」

 

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「え?訴える?おだやかじゃないですね、はい、そうですか。納得いただけなくて残念です。」

「はいI様、その場合は弊社のしかるべき部署で対応させていただきます。ところでI様、訴えるというのは確定で本気なのですね。」

 

I氏「------------!」

 

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「いえいえ僕の進退に響いたりしません、ビビってなんていませんよw」

「逆ですね。本当に訴えるなら事前の宣言で問題ないんですが、訴えないならやる気もしないことを相手に言って委縮させる、脅迫と認定されかねないのをご存知ないですか?」

 

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 「今回は買い手にご縁がなかったということで。弊社のリサーチは終了となります。どうもありがとうございました。」

 

 

クロージング

 

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「・・・・ということで、お話、流れてしまいました。1億円という金額を、買い手本人が信じていないなら最初から破綻しているお話でした。この度はお時間だけ取らせてしまい、申し訳ありませんでした。」

 

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「いえいえ、面白かったですよ。もしI氏がのってきたら本気でこちらも社内で検討を始める所でしたよ。メロンパンさんの分割案は双方にとってフェアでしたしね。」

 

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「こちらこそ、H社様の提案は勉強させていただきました。」

 

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「大きな金額の契約はそうほいほいまとまる事はありませんし。こちらとしても楽しかったので、また何かおもしろい案件があったら是非紹介してください。」

 

 

~~~~~

 

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「で、売上100万円ね。」

 

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「額面じゃなくて利ザヤみてくださいよ。」

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「まあまあだな。」

 

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「訴えてきたら後始末よろしくお願いします。」

 

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「へいへい、本気で訴える奴は黙ってやってるよ。」

 

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「そうですね。あ、一応マジで訴訟きたらこれ、最後の応対は録音してるんで使ってください。暴言もとれてますよ。菓子盛った皿の下に仕込んどきました。」

 

ポイントメールは双方に証拠を残してしまうが、この場合、相手が録音していなければ一方的にY社が都合よく提示できる証拠を持つことになり、有利。もめそうな商談は録音・録画しとくのが吉。相手の落ち度を指摘すれば示談に持ち込みやすくなるね。

 

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「はいよ。お疲れさん。次いけ次。」

 

 

~終~

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

最初に(前記事)で冒頭に出したポイントを押さえて、メロンパンの交渉を描いてみました。

  • 交渉相手は買手だけじゃない!「売り手(I氏)・買い手・自社(上司や他部署)」という3方向を相手にせねばならない。
  • 結果の出し方や評価は「自社の利益をどれだけ守ったか」。
  • 自立したプレイヤーであれば、社畜にも奴隷にもならない。

フィクションですが、メロンパンはこうやってH社との人脈をつくり、交渉の経験を積んだり、上司の無茶ぶりに対して自社の利益は最低限守り、上司の信頼も向上する結果としました。

例え契約がうまくいかなくても、上司に理不尽な要求をされても、客にいびられても、自分の立ち回り次第で学び、自分を成長させることはできます。

 

それぞれの立場の人間、全方向を「交渉相手」と見なして対応するということは、甘えを排除せねばならず、心休まらず、タフな精神力が必要です。

会社も上司も、自分の味方ではない。客はもっとそうです。でも、敵でもない。

それぞれの相手の要望に100%応えるわけではなく、交渉しながら落としどころを見つける、折衷案を探し続ける。それが決裂しても、誠実にそれを「探し続ける」姿を評価してくれる人が現れるものでした。

そうやって、仕事というのは信頼関係を築いていくものではないかと思います。

 

・・・・・・・もう眠くて集中力がなくなって何いってるかわけわからなくなってきたので、まとめがうまいことできない、フェードアウトします。

 

おやすみなさい。