メロンパン、リスクを考える

初心者以上、投資家未満。投資のリスクは人生のリスク。

僕なら絶対金は出さない【クラウドバンク】②太陽光発電ファンド編

うさん臭いの代名詞

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イケハヤが一推ししているクラウドバンクの太陽光発電ファンドを調べてみたよ。

「初心者にも」「不況がきても安定」

この人、FXでもおんなじこと言ってましたね。語彙少ない。

 

太陽光発電といえば、僕の感想はうさん臭いの代名詞。

かつてTVCMもうっていた大手ソーラーパネル設置会社が、強引な営業や、契約時の約束と実態が違う等の苦情で国民生活センターに実名で晒されました。

その中に「大した発電量がなく、お風呂のお湯も沸かない」等、実用性そのものに疑問があるとの声もありました。

 

ソーラーパネルが「夢の無限のエネルギー」と謳われ、一般消費者に利用されだして20~30年たつはずです。パネルそのものの性能や、電力供給の安定性を増す蓄電池などの開発はすすんでいるんでしょうか。

設置する家の場所などにもよるでしょうが、どんなに環境に良くても、必要とする電力が供給できないか、恩恵よりもコストがかかるからあまり普及していなのが現状だと思います。

 

さらにいうと、エコとか社会貢献とかをアピってるファンドは、金融商品や投資に詳しくないカモ 初心者に「何か役に立ってる感」を出して財布のひもを緩める常套手段です。

例)環境問題に取り組む会社の株を買って将来を応援しよう! など

 

やりがい搾取と同じ構図で、お金儲けの為にしていることを「社会貢献」「誰かの笑顔の為に」系でラッピングすると、あら不思議!

サービス残業や投資の損も

「人の役に立つプライスレスな体験★自分の成長の為に★自分素敵」

と、誤魔化しやすくなります。負け惜しみに聞こえるのでやめましょう。

 

 融資先は匿名らしい

こちらの↓リンクから図や表記を引用します。

crowdbank.jp

太陽光発電のファンド自体も複数回あり、期間や利率なども異なっていました。

いくつか案件を見てみたのですが、太陽光発電全般に書かれている概要は同じのようでしたので、気になる点を抜粋。

 

こんな構図で金が行ったり来たりします

後ほど指摘しますが、この図は簡略化されています。だいぶん抜けている事柄があります。しかし、冒頭に載っている図はこれなのです。

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僕が調べた結果の疑問点を羅列

  • 融資先がクラウドバンクグループで、親子会社間でぐるぐると金が回っている気がする。
  • 融資先事業がとん挫しても、担保があるから大丈夫!となっているが、銀行は融資をしてくれない。
  • 金が渡る先が本当に事業をやっているか掴めない。(Y社)
  • クラウドバンクが必要経費を取ってさらに素人に分配できるほどの利益が出てくる根源が謎。
  • サイトに書いていることに、逃げの注釈がたくさん
  • 実績の欄にさえ実際の写真が載っていない

 

なんか貸金業法の関係で、融資先は匿名じゃないとダメなんだそうです。

どこに貸すかを明らかにすると、素人さん方が直接貸金をやってるのと変わらなくなるから、という理屈。

【融資先匿名化を取り巻く議論】ソーシャルレンディングが抱える制度的課題とは | ソーシャルレンディング情報 - CROWDPORT

 

ふむふむ。じゃあ融資先の特定にはいたらなくても、どういう業務をやってて、財務状況はどうでっていう資料は見てみましょうね。

 

 みんなクラウドバンク(株)の子会社や孫会社

下にスクロールすると、「本融資の概要」が出てきますが、主な融資先がY社であると書かれています。

このY社には親会社があって、そこに担保があるっぽい。

Y社の事業がダメであっても親会社が何か補填してくれるのかな?

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Y社に融資して、弁済もしてもらうとある。

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あれ?Y社って 日本クラウド証券の子会社 なの? 

さっきの担保がある親会社が集金やってる会社と同じってこと?

 

さらに、日本クラウド証券の親会社はクラウドバンク(株)といい、そこの会社概要はこうなっている。

グループ会社 – クラウドバンク株式会社

日本クラウド証券は集金係(ここがクラウドバンクというサイト運営もしている)で、兄弟会社のクラウドバンク・フィナンシャルサービスが貸付を実行する、と。

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これらの図をつなげるとこうなります。

クラウドバンクグループ内でお金がぐるぐるしてる気がするんですが・・・。

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緑の矢印→が素人さんのお金が渡っていく道。

集金係である日本クラウド証券が、利払いや返済に対しての担保を保証する親会社と同一となる。

クラウドバンク・フィナンシャルサービスという兄弟を一度はさんでいるとはいえ、日本クラウド証券の親子に金貸してるのと同じ。

全体の金の流れを見ても、大親であるクラウドバンク(株)のファミリー中で金がぐるぐるしてる。

さて、 Y社はちゃんとした会社なのでしょうか?

 

驚きのY社の財務状況

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平成30年(2018年)のファンドの資料となってるページなのになぜか2年前の財務状況しか見れない。 その中身は・・・

https://crowdbank.jp/pdf/finance_condition/2017/Y.pdf

一年間で、営業収益(売上)ゼロ

えっ?! 売上ゼロなの? Y社は利払いをするから、客に配当がいくんだよね?700万円の赤字になってるし。

融資先のY社は利益を還元できるような事業内容じゃ無いじゃん。

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例えばまだ事業として本格稼働していないから売上ゼロであっても、他の科目に数字が出てくるはずなのに(未払金とか)

「販売及び一般管理費」も約200万出て行ってるだけで、給料もこの科目から出るのに、安すぎ。社員に対して支払ってないのかな。というか、社員いるの?!

本業に関わる収支はゼロなのに、なんで営業外費用で400万円出てってるんだ・・・。

 

そして出資金0円 合同会社はこれでも設立できるけど、有限責任が0円ってことは、赤字で潰しても損する出資者がいないってことです。

ぺ・・・ペーパーカンパニー??

まともに稼働している会社とは思えませんが。

そしてなんで直近の平成30年度の財務状況を載せないんだよ。

 

 このファンドは2018年5月に開始されたもの。

それなのに、Y社も、クラウドバンク・フィナンシャルサービス(株)も、1年以上前の財務状況しか見れないようになってる。

 

前期分は大親クラウドバンク(株)はあったけど、これ、たぶん連結だと思うが・・・財務諸表は貸借対照表の単年があるだけでよくわからない。

上場企業じゃないとこんなんなの?

損益計算書とかキャッシュフロー計算書無いの?

http://crowdbank.co.jp/media/pn201803BS.pdf

 この中の発電事業の合同会社がY社なのかな?クラウド証券を通じた間接保有ってなってるし。

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銀行が貸してくれないのに銀行をあてにする

「ファンドの内容説明」のところ

銀行が金を貸してくれない、だからソーシャルレンディングをする、と。

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そこで、クラウドバンクは素人から集めたお金を貸します。

 

「将来的に得られる売買収益」

でもさっき見たY社は何の売上も利益も見当たらなかった。

「完成後の事業売却想定額」

だいぶん先の話のようだな、それ

「完成後に銀行から得られる~」

えっと、さっき銀行が金貸してくれないっていったのに、完成後なら貸してくれる根拠ってなんなん?出資金0円の合同会社に金出してくれるところあるのんか?

 

一応、売電事業というのは資源エネルギー庁がやって、各電力会社が電気料金とともに徴収したお金で再生可能エネルギー太陽光発電など)を買い取ってくれるという、国の補助付き事業です。

なっとく!再生可能エネルギー 固定価格買取制度

それなのになんで銀行は融資しないんでしょう。

補助金出さなきゃやれないくらい実入りの少ない事業ってことかな。

また、国の補助金頼みということは、政権や方針が変わって予算を削られる可能性が大きなリスクということか。

 

うーん、あと、太陽光発電のパネル設置って、日本は平野が少ないから日照が多くて条件のいい所なんて少ないし、台風や地震の多い風土だから管理がたいへんでコストがかかり過ぎるんだよな。

今年の台風でもばんばん壊れて、巨大なゴミになってたし。

snjpn.net

2018年11月29日追記

前回の「処分編」で見た通り、足し算レベルの計算を間違えて金融庁さんに怒られている業者が、国の補助金・日本国土特有のリスクなどを加味したうま味の少ない事業の利益率を計算できるんだろうか。

b-87gimeronpan.hatenablog.com

ファンドに6%~7%という高利回りを提示しているけど、その利回り、足し算レベルを間違う(しつこい)業者がどういう方法で算出してるんですかね。

 

 

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「本融資のリスク等」、にリンクがあってポップアップが出ます。

契約した人しか具体的なリスク見れないのか・・・。

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実績写真がイメージ画像

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 過去に募集したファンドの実績の紹介なのに、※当ファンドの主要な融資先が建設したものではありません。の注意書き

(主要な融資先はたぶん日本クラウド証券の子会社のY社とか)

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じゃあなんでこの写真使うの。イメージ画像ってことじゃん。匿名の原則の為に特定されると困るというのなら、周辺に多少モザイク入れたりって対処でもいいじゃんよ。

実績としてあげてる写真はもう一件ありましたが、この注意書きがやっぱりある。

本当に、建設したものってあるの????

 

一番最後に逃げの注釈

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 安定的な収益をリスクやトラブルのない不動産投資と、夢ある例えの本文の表現を、4行後の注釈で否定するノリつっこみのような文章。

 

そして一番最後の注釈。

本ページの正確性は保証できない。(は?)

過去に利払いの実績があっても将来の約束はできない。(知ってる)

ファンド名称などは任意に設定しての表示で正確性は保証できない

(はぁ?じゃあファンドの区別はどこでやってんだよ)

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 さ、最後にこれか・・・。

一生懸命掘ってみた・・・というか、外部の人間が契約前に調べられる公式の書類を見て回ったけど・・・

やっぱり金をぐるぐる回してる印象だけで、太陽光発電の事業をやっている痕跡が見つけられませんでした。

もういやだこんな会社。絶対僕は金なんて預けない。

 

僕はもう力尽きた。

(本当はもっと太陽光発電の将来性の無さや、日本クラウド証券の子会社群について調べた内容も載せようと思ってたけど、もう充分怪しいことは伝わると思う。

因みに直近の決算公告にあった下の表の子会社は社名が最近変更があったり、地名があるところの航空写真を見てもソーラーパネルらしきものが確認できませんでした)

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