メロンパン、リスクを考える

初心者以上、投資家未満。投資のリスクは人生のリスク。

【読書】凡人起業(小原聖誉 著 脱社畜サロン)

2019年2月、脱社畜サロンに正田圭氏と入れ替わりに加入した小原聖誉氏

「脱社畜サロンという名前は好きじゃない」とおっしゃっていたので突撃質問しにいったら丁寧に長々と答えてもらえました。

のちに、2019年4月に「スキルシェアサロン」と名称変更

 

↓ その模様はコチラ

b-87gimeronpan.hatenablog.com

日々、イケハヤやはあちゅうはあっちこっちに放火しているので目に入りますが、まったく(僕のまわりでは)話題にあがらない小原氏。

 

(初?)著書が発売だというのに、どっかんどっかん吹き上がるはあちゅうと比べ、静か~・・静か~・・・で。

はあちゅうの炎上プロモーションと比べてるなって話だけど。

 

しかも発売当日、イケハヤとはあちゅう触れてもいなかったんですよ。

今だ1,000人は加入している大型サロンの共同主催者に対して、扱い雑じゃない?

薄 情 過 ぎ や し な い ?

 

イケハヤやはあちゅうより、正直な話、実績とか資産とかビジネス上の成功とかなんやらかんやら小原さんのほうが何個も上の人だと思うんですけど???

 

そんな気持ちを素直にツイートしたら、小原さん本人から謝辞が飛んできました。

僕は小原さんにリプ送ったわけではないのに。

そのやりとりがおもしろかったので、実際に「凡人起業」を買って読んでみました。

 

 

 

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 ※注

筆者:柳メロンパンは小原さんに大して興味がないし、起業する気も無いし、ビジネス書も好まないので、仕事で読まざるを得ない資料を読んでる感じですので、感想もそういうアレになってます。

 

 最初に結論

ビジネス書としてこの「凡人起業」が良いかどうかはわかりませんが

とりあえず

小原さんは天然な人でおもしろそう。

 

2019年4月30日(平成最後の日)小原氏本人から書評最速公認をいただく。

 

 

 

 

 

 

麗しき「凡人」の定義

 

この本は 凡人の、凡人による、凡人のための起業 という提言が続きます。

そして「凡人」を自覚する小原氏が自身の体験を交えつつ、凡人の戦い方、スキル、凡人仲間の紹介等をする流れになっています。

あとがきに脱社畜サロンのことも書いてます。

 

ですのでまず最初に「凡人とはなんぞや?」という定義の語りがあります。

 

『岩波国語辞典』

特にすぐれた点も無い人。普通の人。

また、つまらない人。

辞書ではこうですが、

小原さんは起業をする凡人の背中をこう押します。

 凡人とは「何もできない人」ではありません。

自分が秀でていることはあまりない、と自覚している謙虚な人でもあります。

 だから、凡人には凡人なりの戦い方があると。

 

正直このこのくだりが本書で一番素敵だなと感じたところです。←

(冒頭5ページ目)

 

また、「秀でていることはあまりない」は、確か僕が以前質問した時もご自分のことを

そうおっしゃっていたと思います。

そういった自分を卑下する言い方が良いかどうかは状況によりますが。

   

次におもしろいと思って読んだのが最後のほうにある「凡人仲間」の紹介。

ちょっとしたアイデアや見方、隙間を狙って起業された方の実例があって、簡単な説明ではありましたが楽しかったです。

 

 

この記述はいかがなものか?

 

感想以前の問題で、正確性という面で疑っている部分を3つ挙げます。

 

● 「バイアウト」という単語の意味

 

『売却(バイアウト)』と書いていますが、そもそも 『Buy out』なんで買うってほうの意味じゃないのか・・・?

バイアウトとは|金融経済用語集

 

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● 「赤字」と「お金が回らない」

 

むしろ赤字を大きく掘って、将来の成長につなげよう”ということです。

ぼくは、この論は無責任であり、一部の経営者・起業家のポジショントークなのではないかとすら思います。

会社は、お金が回らなくなったらゲームセットです。多くの社員・取引先、家族に迷惑がかかります。

 

この記述、「赤字」=「お金が回らない状態」と誤解させる文です。

赤字はお金(キャッシュ:現預金)が回っているかどうかだけで決まるものではありませんし、逆に黒字でもお金が回らなくなり、黒字倒産もあります。

 

「赤字でもかまわない」というのがどうポジトークになるのかも不明。

赤字とは - マネー用語辞典

 

 

● お金が余っている?

 

今、日本全体としてはお金が余っています。

大企業を中心に内部留保がたまっていて、使い道を探している状況ですから、

 

内部留保が溜まっている」=「お金が余っている」と誤解しそうな文章ですが、そういうことではないんだけどなぁ。

内部留保=お金(キャッシュ:現預金) でもないですし。

内部留保 - Wikipedia

 

小原氏は自身で「財務・経理で使い物にならない」と本書の中でもおっしゃっていて、その方面に疎かったり誤解しているのでしょうが。

先ほどの「赤字」の事と合わせて、ビジネス書ですのでこの素人レベルの誤解を招く表記はどうなのかな、と思います。

 

 

煽りがなく、丁寧に解説

自分の成功を語る本にありがちな、勢いや、煽り、お前も頂上獲れよ!!みたいなウェイウェイは一切なく、文章が真面目で丁寧。

また、自分と考え方が違う程度の書き方はありますが、他者を貶めたり、批判したりなどがありません。謙虚さを体現している文章だと思います。

それは僕が質問した時の物腰と同じでした。

どっかの高知の情報商材屋達とえらい違いです。

 

誰でもできそうな当然なこと、それを積み重ねることの大事さやスキルチェック等、地味な提言を著者の実体験や図解を交えて、飽きの来ないように読ませます。

実用面では参考になることがあると思います。

 

また、いきなり起業ではなく凡人のお話なので、一定期間会社員をやってから退職・起業をする前提で、その会社でどう立ち振る舞い信頼を得ないといけないか、出身企業との繋がりを大切にしましょう等が書かれています。

どっかの高知の情報商材屋と(ry

 

ただ、

「拡大・成長しそうな市場を選択」

「シェアの少ない、競合が少ないほうで」

先行者になる」

これらは主に小原氏がスマホの普及・台頭してきた頃にそれに乗り、生き残った人の結果論であると感じます。

参考にならないわけではないのですが、上記の提言にはデメリットもあり、結局運や見極める目、賭けほどのチャレンジをしなければいけない局面があると思います。

例)シェアが少ないほうはシェアそのものが駆逐される場合がある 等

 

例えばこれが仮想通貨だったらどうでしょうか。

どっかの高知のハンチングメガネが「新しい!これからは仮想通貨の時代!マイニング!ブロックチェーン!」と叫んでいましたがあのザマでしょう?

仮想通貨そのものが否定されたわけではありませんが、やはり新しいものに身を投じて先行者になれというのは、ノウハウもなく、予測と定量ができないリスクが潜んでいる覚悟をしたほうが良いと思います。

 

しかしそれは僕の「リスクに対してとても慎重に考える」人間の見方であって、あまりそこの説明に力をいれると読者が委縮してしまうのではないかという懸念も分かります。

「起業のハードルは昔よりずっと下がっている、会社や上司に縛られない生き方も選べるんだよ」という希望を感じさせるためには、こういった内容になるのかなぁと。

先ほど述べた通り、煽ったり過剰な儲けを示唆したりはしないので、そういったバランスになっているのでしょうか。

 

 

社畜サロンについて

あとがきで触れられていますが、炎上によって「起業そのものをあやしいことだと勘違いしてあきらめてしまうのではないか」という危惧を感じ、サロン生を励ましたいという意思はこの本書本文の中にも現れていることで、僕も是非そうしていただきたいと思います。

※正田圭のせいです。起業があやしいわけじゃない。

 

真面目に起業のことを学ぼうという人に、社会性の無いイケハヤやはあちゅうはさすがにふさわしくないと思います。

 

 

つっこみドコロ(褒めてる)


● なぜこの話をした

 

 P.24 起業することを事前に就職先の社長に伝える の項

 ここでいきなり朝から飲みに行くわ、起業の為に退職したのに貯金が無かったなどの状況説明があります。 

1社目で9年間「副社長」を務め、(中略)給料の半分くらいを自腹で接待交際費に充てていたのです。(中略)それどころかクレジットのリボ払いで200万円くらいマイナスでした。

 

どこが凡人やねん。

しつこく本著の中で凡人設定してるのに、なぜこの話ぶっこんできたw

サラっと書くなら「実は貯金が乏しく困窮していた」程度にボカして書くこともできたでしょうよ。

貯金も無いのに起業チャレンジするのもアレだし、高給だったのにリボでマイナスまで行くってどんな遊びしてんだ、気になるじゃん。

だっていかにも遊んでます!ってのじゃなくて、謙虚な凡人キャラなのに、そんな大金使う遊びとは何なのでしょう。(ギャンブルかな

サラっと4行くらいで済ますんじゃねーよ、破天荒キャラエピソード。

 

 

● なぜこの話をした Part2

 

 P.139 起業中の失敗 の項 

最も生きていて申し訳ないと思った事件として、(中略)取締役候補の方を、ぼくは三顧の礼で迎えておきながら活かしきれず、結局その方が退職することになった(中略)

彼が最終出社日に全社員の前で行った退職のあいさつは、生涯忘れることはありません。

「ぼくは小原さんにだまされて入社したと思っている。恨んでいます」

 

三顧の礼 - 故事ことわざ辞典

 

この後、小原氏はみんなの前で泣いて謝罪したとあり、そこで終わってます。

(全部で7行)

 

だからなんでこういう気になる

エピソードぶっこんで(ry

 この7行の文、一冊の本にできるほどドラマ詰め込まれてる気がするんだけど?!

 

相手方のいる話でもあるし、相手の許諾や迷惑などを考えてサラっと流しで書いたのかもしれないが読んでるこっちは流せねーよ。そもそも関係者は特定可能やろ。

 

「失敗から何を学んだか」の解説のほうがメインだから、失敗そのものの話の表現に労力割くのは違うのは分かるよ、分かるけどさ。

これ多分、事実をそのまま書いたんでしょう?

適度にボカす器用さがないというふうにお見受けします。

余計気になるっちゅーの!

 

こんなインパクトあるセリフまで書く必要あったかな?w

インパクトあり過ぎてこの後の話が頭に入って来づらいよ!

 

大の大人が「恨んでる」と本人も含めた社員の面前で言い放って、「生きてて申し訳ない」と小原氏が悔やんでるって・・・。

ドロドロ感・・・。ワイの好物のドロドロ感やでぇ・・・。

どういう経緯でそこまで恨みつらみが募ったのか、気になりまくり。

 

ただ、こういう話でも相手の事は悪く言わないし、自己弁護をしない小原氏は好感が持てます。

いや、小原氏がこの「恨む」と言った人に本当にムチャクチャな仕打ちをしたかもしれないよ?

ただ、人から責められた事や自分の落ち度を書くときに、どうしても自己保身・自己弁護・言い訳をしたくなるものなので、それを一切せず全部自分の責任であるということは器として稀有じゃないかなと感じます。

 

 

結論

ビジネス書としてこの「凡人起業」が良いかどうかはわかりませんが

とりあえず

小原さんは天然な人でおもしろそう。